スポーツ漫画に革命を!Jリーグを巻き込んだ2人の社長の挑戦

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「激レアさんを連れてきた」に出演した元プロサッカー選手の丸山龍也氏。そして、もう1人の社長、佐々木ディエゴ剛実氏。サッカー ✕ 漫画でイノベーションを起こす、ワンディエゴ丸出版社の2人の社長にお話しを伺ってきた。


サッカー ✕ 漫画で革命を起こす


ーよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。

ディエゴ 佐々木ディエゴ剛実と申します。父が日本人、母がブラジル人のハーフです。中学卒業まで日本にいましたが、高校、大学は上海、北京に単身留学していました。大学を卒業してから2年間日本で働いて、今年の4月から会社の立ち上げ準備を始めました。

ーよく聞かれるかと思いますが、なぜ中国へ行かれたのですか?

ディエゴ 中学3年生のときに行こうと思いました。「中華料理美味しそうだな。上海行こう。」それくらいの軽い気持ちです。特別な感情はなく、上海に行くのも隣町に行く程度の感覚でした。普通にみんなが進学するような感覚で、外国の高校に行っただけです。子供の頃から外国人と接していたこともあり、チャンスがあったので進学しました。

ー中国ではどのようなことをしていたのですか?

ディエゴ 留学していた北京では、家族や友達、知り合いもいなかったので、サークルを作ろうと思いました。そこで、日本人と中国人が仲良くなれると目をつけたのが漫画です。日中マンガ研究会という、高校生から50歳位までいる社会人サークルになるまで、3年間活動していました。オフ会では4~50人程集まる規模で、漫画のコンテンツで熱く語り合える環境です。ここにビジネスチャンスを感じたので、日本で漫画に携わる仕事したいと思っていました。

ーそれでは丸山さんの自己紹介、、、

丸山 自己紹介だけをする講演があるので、話すと1時間半くらいになります(笑)

ーそれでは二人が立ち上げようとしたときのお聞かせ下さい(笑)

丸山 3年ほど前にサッカー関係者が集まるBBQでお互い知り合いました。もともと共通の知り合いが多くて、二人でやろうと。

ディエゴ 丸山はずっとサッカーやっていて、自分は漫画をやりたい。二人で意気投合してお互いの強みのサッカー✕漫画でやろうとなりました。

丸山 今までにないサッカー漫画のアイディアがあったので、やってやるかという感じです。


漫画のことは全く知らなかった


ーどのような経緯で進んでいったのですか?

丸山 最初は漫画のことを知らず、漫画家はきっと1ヶ月で300ページくらい書けるから、気合入れたら単行本だと2冊は出せるんじゃないか。ただ実際は、クオリティを考慮してスピードを落としているんじゃないか。程度の認識でした。全くわからないので、勉強のためにセミナーに参加したり、漫画の編集長に会いに行ったり、意味もなく秋葉原を歩いたり、、、。そこでまず知ったのは漫画家さんのペースは、早くて1ヶ月に30ページということでした。本当に何も知らないところからの始まりです。

ディエゴ いろいろ行きましたね。これは関係ないのでは?と思うところまで。ゲームショウ、VR、ARなど漫画に繋げられないかな。と、何が必要かわからなかったので、考えつく限り手を出しました。それは今後の強みになりますし、既存の出版社にないことができると思います。

丸山 本当に何も知らないから勉強。とりあえず、世にあるサッカー漫画を全部買って、読んで、バカみたいなところから始まりました。

ー漫画家さんはどのように巻き込んで行ったのですか?

丸山 最初は同人誌を売ってるイベントに参加して声を掛けようとなりました。ディエゴが、東京ビックサイトに行けば、漫画家目指していて、その中にスポーツ漫画を書きたい人いるんじゃないか。と仮説を建てまして。参加してみましたが、漫画家さんのパワーに圧倒されました。

ディエゴ スポーツ漫画を描いてる人はいましたが、仮説とは違って残念な感じになりましたね、、。僕たちはお呼びではなかったです。

丸山 その後にネットに目をつけて、Twitterやpixivでメッセージを送って、何人かに返信をいただいて実際にお会いしました。

ー漫画家さんとお話してどうでしたか?

ディエゴ こちらが構想を話す前に、「漫画どうやって書くんですか?まず何が必要ですか?」と聴き込んで、世界堂に行って、原稿用紙やGペン、インクなどいろいろと買い、とりあえず自分たちで実践しました。

漫画はまずネームを書いて、それからペン入れの本作業に入ります。この作業の中で、ネームが大変だとわかったのですが、そんなはずはないと思っていました。丸山が挑戦したのですが、漫画家にダメ出しされほぼやり直し。ではなくリニューアルです。実際に自分たちでやってみて、ストーリーをコマに落とし込む作業が大変だと知りました。

自分たちで作るのは簡単ではない。絵は漫画家に依頼して、原作も作家に書いてもらおう。という感じで最初の1、2ヶ月はひたすら勉強勉強勉強。それから漫画のできる流れがわかり、具体的にスケジュールを建てました。8月頃から制作に入って、今は1月末の完成に向けて頑張っている最中です。

 

壮大なプロジェクトへの挑戦を決意した仲間たち


ー会社のメンバーはどのように集まったのですか?

ディエゴ 漫画家さんとのやり取りとJリーグとの交渉を同時並行していて、二人では限界が来て、人手が足りないとなりました。そこで丸山がTwitterで募集しました。

丸山 「ビッグになりたい人集まれ!!」みたいな。そこで、現メンバーの平田が問い合わせをしてきました。連絡が来てからあまり時間が経っていなかったのですが、すぐに会社を辞めていました。彼のことは何も詳しく知らないのに、「早っ!大丈夫か?」となっていました。(笑)

ディエゴ 次にマンガのデザインを手掛けるメンバーが必要になりました。漫画はキャラクターが重要である。それがしっかりしていたらストーリーは後からついてくる。と聞きました。ワンピースにルフィという主人公がいるように、キャラが立っていれば良いのだと。自分たちにはアイディアは出せますが、絵には落とし込めません。

そこで、1人は絵に落とし込める人。漫画家さんのアシスタント経験者の方もメンバーに入れて、絵のことから漫画に関することまで全般的に頼っています。

もう1人は不動産の営業をやっていた女子も入ってくれました。今は5人の会社ですが、有名な漫画家さんのアシスタントや、上場企業を辞めて入社してくれて、漫画という難しいことに挑戦するからこそ優秀なメンバーが集まったと思います。

 

Jリーグとタイアップして漫画を作る。その先のワンディエゴ丸の構想とは


ー今後の会社の構想をお話していただけますか?

丸山 企業秘密ですが、2020年の東京オリンピックのときに大々的にやりたいことがあります。それでも今は、何も知らないし、漫画を売ったこともない。面白のいアイディアはありますが、一ランク上のことをしたい。作品を出すだけなら簡単に出せますが、やるなら人気の出るものをやりたいと思っていました。

そのときにマスコットを使った漫画を作りたいとなりました。Jクラブのマスコットは、それぞれ口調が違ったり、設定が細かくあったりとキャラが立っています。選手は移籍や怪我、引退もあるけど、マスコットにはない。子供たちからの人気もあります。

そして、シーズンの開幕前にはマスコットの総選挙があって、多くのサポーターが投票しています。日本人はふなっしーや、マスコットが好きですし。最終的にはお客さんの反応を見ないとわかりませんが、すごい漫画ができるのではと想いながら、今は進めています。

これらは全部、リーグ経由で許諾書を送ってもらって、今は54クラブひとつひとつに挨拶へ回っています。

会社を設立して間もないですが、全国のクラブに認知してもらい、Jリーグに間に入っていただいて、進めています。全チーム協力しての企画は、ウイニングイレブンや選手名鑑のような作品はありますが、それ以外はなかなかありません。僕たちはなかなかできない貴重な体験させてもらっています。

ーどのような漫画が出来上がるのかとても楽しみです。ストーリーを教えていただけますか?

丸山 Jリーグで優勝するともらえるシャーレが割れてしまいます。シャーレは54クラブの力の結晶で、それを復活させるための物語です。

主人公がいろいろな街を転々としてマスコットに出会い、そこに敵が現れてリフティングやサッカーテニスなどのサッカーバトルをします。最初はシャーレ復活のために勝負をしてますが、主人公はサッカー選手になりたいと想い描いています。マスコットと特訓するシーンもあって、シャーレ復活に近づくにつれて、本人もサッカーが上手くなって成長していく漫画です。

ー漫画の作り方にも既存にはない仕掛けがあるそうですね。

丸山 漫画家が毎回の話ごとに違って、絵やコマ割り、雰囲気も変わります。読者が「何これ?」と思うかもしれませんが、メリットは毎回いろんな絵を楽しめることです。

そして、漫画家はそのクラブのファン、地元出身の人を選ばせてもらっています。地域密着を掲げるJリーグを、地元の人やファンである人に描いてもらうことで、もともと好きな人に想いが乗るようなストーリーになると思います。

ー他には何かありますか?

丸山 売り方にも工夫があります。本屋で売るとたくさんある本の中で、なかなか手に取られにくい。スタジアムでサッカーのグッズあるところで漫画を置くことで、本屋にあるよりもポジション的に勝っていると思います。

そして、スタジアムで売っているタオルやユニフォーム、キーホルダーはそれなりに値段がして、小学生は買いにくいです。しかし漫画なら500円で買うことができます。全国のスタジアムで漫画を置かせてもらえて、いろいろな人にもアプローチできて、良い試みだと思っています。

 


世界展開を視野に入れたプロジェクト


ー早く完成した漫画を読みたいと思いました!

丸山 実はこの漫画のプロジェクト自体が会社のプロジェクトの伏線になっていて、今から漫画を継続的に見ていると、数年後に「あれ、こういうことだったのか!」となるかもしれません。

今はJリーグでも、村井さんがJリーグの媒体を企業や地域に使ってもらい、みんなで発展していこう。Jリーグを使おう。となっています。

サッカーに興味のない子に知ってもらったり、逆に漫画読んだことない子に将来漫画家を目指してもらったり。Jリーグを使って広いことができるというのが、今のJリーグの取り組みなので、そこにがっつり乗っています。

ー長期的にはどのようなことを目指しているのですか?

丸山 2020年の夏から、僕たちのサッカー漫画は2500巻出します。世界展開としては、30の国と地域で発刊したいと思っています。

ディエゴ 海外でも地域密着の、その国で根付くような漫画を出せたら面白いのではないかと思っています。まずは日本国内でやりますが、海外の漫画はあるのか。というとヨーロッパやアジアでも、ほとんどの国では漫画文化はなく、アメコミや日本の漫画を楽しんでいるのが現状だと思います。なので、その国に根付く漫画のコンテンツを作りたい。スペインにはスペインの韓国には韓国の漫画文化を弊社で手助けしたいと思っています。

ー今回は取材を受けていただきありがとうございました。


【株式会社ワンディエゴ丸出版社】


スポーツ漫画に革命を! 2018年8月8日に創業した出版社。

HP:http://d-spo.co.jp
Twitter:https://twitter.com/one_dmp

取材/執筆

【藤原】

Vektor代表
Twitter:@k0sk_vektor