アイスホッケーをプレーしたり、試合を観たことのある方はどれくらいいるだろうか?そして、そのゲーム(eスポーツ)を体験したことのある人はどれほどいるのだろうか?eスポーツの競技の中でも珍しい種目と言えそうなアイスホッケー。
今回、日本予選を勝ち抜き、世界大会に出場したヨザさんに話を聞いた。
日本大会編
まず初めに、アイスホッケーにおけるNHL(National Hockey League)とIIHF(International Ice Hockey Federation)について事前情報を伝えておきたい。
NHLとは、アメリカ、カナダの興行メインの大会であり、他の地域からもトッププレーヤーが集まる世界最高レベルのリーグである。
一方のIIHF(国際アイスホッケー連盟)は、国単位の活動となっており、オリンピックなど全世界でナショナルチームがある。この2つを比べると、NHLの方がレベルが高いため、優先順位ではNHLの方が高くなる。
これまでのeスポーツアイスホッケーの世界大会は、NHL主催で行なわれていたため、日本人には参加資格がなかった。しかし、その大会とは別に、新規で国際アイスホッケー連盟が大会を主催することになり、日本での予選が行われることになったのだ。全22カ国でプレーステーション、Xboxの二つのハードで予選があり、それぞれの代表選手を決めることになっていた。
予選の参加枠は256。日本予選は、オンライン対戦で戦うことになる大会で、何人の参加者が集まるのか組み合わせが決まるまでわからなかったそうだ。
しかし、組み合わせを見ると参加者はなんと4人(全てがプレイステーションユーザー)。この大会の認知がなかったのか、それとも全てが英語による説明だったために大会参加を断念したのか、想像していたよりも遥に少ない人数での予選となった。
その4人で1枠の代表を争ったトーナメントで、見事ヨザさんが勝ち抜いて日本代表に決まった。
世界大会編
ヨザさんは予選を勝ち抜いて日本代表に決まったが、そこで事件が発生した。運営側から伝えられたのは、国として大会に出場するには、プレイステーションとXboxのどちらの代表選手も必要という点だった。
日本で予選に出場したのは、全員がプレイステーションだったため、Xboxユーザーの代表が日本にはいない。そのため、Xboxで出場する選手を準備する必要があったのだ。結局、世界大会に日本代表として出場したのは、ヨザさんが決勝で戦った相手・Virtilさん(プレイステーションでの出場)と、ヨザさん(Xboxでの出場)の2名となった。
このゲームで選択できるチームは、世界大会では全ての国を使えることになっている。つまり、自国のチームを使う必要はなく、使いたいチームを選んで戦うことができるのだ。しかし、そこで起きてしまうのは、全チームがカナダ代表を使用してしまうことだ。
このゲームにいる選手の能力値を見るとカナダの選手たちが圧倒的とのこと。誰もが勝利を目指すためには、ゲームの能力値が最強チームを選ぶため、世界大会で各国の選手が争うが、実際はカナダ代表を使った試合が行われている。
しかし、能力値の高い選手を使える状態でも、「世界大会ではボロ負け」してしまったそうだ。
今後の展望編
「まだ日本国内のレベルは高くない」と話してもらったが、その要因として、その国でのアイスホッケーの普及状況が、ゲームをする人口に比例しているように考えられる。実際、今回の上位を取っている選手たちは、プロのeスポーツプレーヤー。
現状の日本は、争う人数自体が多くない。大会にエントリーしていないプレーヤーもいるはずだが、競争が行われていない状況である。「まずは100人いてほしい。切磋琢磨できる相手が増えてほしい」と、この競技の今後の目標が挙げられた。
「一番残念なのは僕が優勝できたことです」。アイスホッケーをする人には絶対に楽しめるゲームであり、もっとたくさんの人にプレーしてほしいと想いを語ってくれた。
日本での競争が増え、日本代表の価値をより上がることを期待している。
実際の試合の様子はこちら!
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