文武両道〜フットゴルフ日本代表の挑戦〜

サッカー×ゴルフ 2つの要素を持つフットゴルフ。2009年オランダ発祥のスポーツとして急速に発展している。今回はフットゴルフ日本代表として活動する辻本亮さんのインタビューです。

全国を目指した高校時代 

サッカーは年長のときからやっていました。中学時代は堺にあるガンバのジュニアユースにいて、大阪学院大学高等学校に進学しました。 サッカーで1番想い出として残っているのは高校時代です。2年生のときからトップチームにはいましたが、試合にはあまり出ていなくて、少しなあなあな感じでした。それが、自分の代になってからチームが1つになって、全国大会出場を目指して練習していました。

最後の大会で、優勝候補の大阪桐蔭とベスト32で当たって、自分は2ゴールして勝利。 僕は大会前に腰を怪我していて、トレーナーにはリハビリにずっとついてもらっていました。怪我が完治して、試合で点を決めたときには一緒にトレーナーも喜んでくれて本当に嬉しかったです。 自分たちは大会で優勝できるかもってなったんですけど、その後ベスト8で負けてしまいました。 自分も最後はPKを外してしまい悔しかったです。

それから大学でもプロを目指してサッカーを続けていました。入ってから痛感したのは、トップチームの選手との差です。実力的に厳しいなと感じていました。また、大学で部活を続けていましたが、ずっとフットゴルフの大会に出てみたいと思っていました。

実は、大学に入る少し前にフットゴルフとは出会っていて、知り合いの方が日本代表としてワール ドカップに出場したことが興味を持つきっかけでした。一度友達とプレーしてみたらめっちゃ楽 しくて、いつか試合に出たいと思っていたんです。ただ、部活をやっていたこともあって、なかな かオフも取れずに時間が過ぎていました。それでもサッカーがオフの時に大会に出場できて、初めての大会で3位に入賞することができました。

フットゴルフへのきっかけを与えてくれた方と同じ舞台でプレーしたいという想いから、 フットゴルフに本格的に取り組むことを考えました。また、高校時代にトレーナーにお世話になってから、その職業に憧れを持っていました。 当時の状況では、両方の目標を追いかけることは難しいと思って、とても悩んでいましたが、 フットゴルフに本格的に取り組み、トレーナーを目指すためにも12月に大学を辞める決断をしました。

現在はフットゴルフの選手として、アスレチックトレーナーを目指す学生として、 サッカー選手としても、大阪府社会人サッカーリーグ2部の1.FC Minohに所属して活動しています。

フットゴルフ日本代表へ

学校を辞めてから2017年を迎えて、3つの軸を持って文武両道を目標に活動していました。 フットゴルフの目標としては、日本代表に選出されることでした。 日本代表に入る条件は、月に1度のフットゴルフ協会公認の大会で上位の成績を収めていることと、 協会推薦をしてもらうことが必要です。

2017年ジャパンオープン最初の試合は4位。 ただ、毎月公認の大会には出場していたわけではないです。 フットゴルフのできる会場は関東が多くて、大阪にいる僕にとっては一回の大会に出るためには 5万くらいかかってしまいます。2ヶ月、3ヶ月に1回大会に出場できたらいい状態で、夜行バ ス、ネットカフェに泊まって試合に出ていました。 それでも成績は毎試合トップ10くらいでしたが、なんとか日本代表に選考していただきました。

それから、9月にアメリカの大会に出場して、世界のトッププレーヤーのいる大会に参加しました 全体では130選手くらいの参加です。この大会では、World Cupチャンピオン Christian Otero 選手と一緒にホールをまわりました。 全体的に安定していて、攻め方やアプローチなど一つ一つの戦略や技術にトップとのレベルの差を 見せられました。僕自身、結果はぼろぼろで42位くらいでした。

その翌月の10月に軽井沢では、日本で初の国際大会があって、テレビでも報道された大会で、 世界のトッププレーヤーも参加していました。結果は110人中の27位。三日間の大会で、2 日目は14位につけていたこともあってとても悔しかったです。最終日で崩れてしまったことで、 上位進出を逃してしまいました。今までも真剣にやっていましたが、大会が終わって火がついて、 2018年はトップを取ろうという気持ちになりました。

フットゴルフの魅力

フットゴルフができるのは基本はゴルフ場で、サッカーボール専用の穴があります。 サッカーとゴルフの土台があるスポーツで、ジュニアからシニアまで世代は幅広く、誰でも取り組 みやすい競技です。シニア枠やレディースもあって、どの世代でもできる生涯スポーツとも言えます。 2009年にオランダで発祥したスポーツで、普及スピードの速さはフットゴルフが世界で最速で伸びていると言われています。

今、国内でプレー出来るのは11箇所。 それに比べて海外は多くて、イギリスが約200箇所、アメリカで約500箇所。それにアルゼンチンにはプロのリーグ、フットゴルフのチームがあります。 日本ではまだまだですけど、世界的に見たら結構発展しています。競技者は、サッカー経験者が多いんですが、過去の日本代表には、野球経験者や中学までのサッ カー経験者など決してサッカー歴だけではありません。

競技としては、飛距離ではなくて、ちょうど止めたい位置に止める技術がポイントです。 ただ目標に向かってボールを蹴るのではなく、風やボールの回転、一打一打考えて計算して蹴って います。技術ももちろんですが、1番はメンタルの強さが勝負に関わりますね。 過去の大会でメンタルの重要さはとても実感しました。

実際、経験するようになると考える事が増えて、逆に難しくなる競技でもあります。それでも、初心者の方でも気軽に楽しみながらプレーできると思います。

目標は五輪のメダリスト

フットゴルフを2024年にオリンピック種目に。

そのためには認知してもらうことが必要です。まずは自分が結果を出すこと。 18年は12月にモロッコでWorld Cupが開催されるので その大会に出場することを目標にしています。 また、7月に中国でアジアカップが開催されるので、 その大会にも代表に選ばれてトップを取りたいです。

プレー以外にも、認知のためにいろんなところに顔を出して、たくさんの試合に出るためにスポ ンサー営業もしています。実際、何社かついてもらうこともできました。最近は積極的に活動するようになって、 社会人の方とも会うようになり、いろいろなことを知れました。 競技者も年上の方ばかりで、これまで同世代としかいなかったので、自分のいる世界が変わりま した。専門学校に入り直してフットゴルフに取り組み、人間的に17年は成長出来た1年でした。

2018年はフットゴルフの業界として、World Cupのある年。 新しくプレーする人も増えて、盛り上げるための勝負の年でもあります。今は自分と同世代の学生のフットゴルフ人口は少ないので、 もっと増やしていきたいと思っています。学生連盟を立ち上げて活動しているので、興味のある方には一度プレーしてほしいと思っています!

また、学生でもあるので、勉強もしなければいけません。 ATとしてパーソナルトレーナーになること。まず、高校サッカーにトレーナーとして携わること は1つの目標として持っています。

選手として、学生として、2018年も両立しながら活動していきたいです。

辻本亮

フットゴルフ日本代表
1997年生まれ 大阪府出身
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